購入・評価の判断根拠となる「感性」

IT技術者のアピールは、機能・性能・品質に偏りがちだ。感性的なインパクトは、ときとして、コンテンツよりも重要だが、IT分野ではどうしてもお座なりになる。

しかし購入する側は、感性で選んでいる場合が多い。たとえば、弁護士や会計士、コンサルタントなどは、同じことを言っていても、貫禄ある人物の発言の方が採用される。同様に、

  • ファーストフードやファミリーレストラン
    ⇒トイレがきれい、接客がていねい…
  • 工業製品
    ⇒手触りや触り心地
    ⇒〔それを使った〕ライフスタイル

などが購入や評価の判断根拠になる場合が多い。

また色彩について、どんな教科書にも書いてある「寒色と暖色」の原則さえ無視しているシステムが少なくない。ウィンドウに青系(=寒色)を使う…単にその慣習を踏襲しているだけではないか。見落とされては困るボタンを赤く目立たせる…といった配慮をしているシステムですら、めったにお目にかからない。

  • 五感:視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚
  • 認識:空間、時間、量、頻度、明るさ、音量(質)、温度・湿度
  • 精神:人生観、価値観、倫理観、世界観
  • 語感:言葉遣い、表現・いいまわし、単語、イントネーション
  • 体感:Face2Faceでの表情、重力、空気(温度・湿度)
  • 欲求:優越感、満足感、充足感、生理的欲求
  • 心理:安心感、危機感、感動・共感、恐怖感、罪悪感、疎外感
  • 理性:探究心、自制心、慢心、正義感、笑い、名誉欲
  • 購買:機能、性能、品質、価格、サービス
  • 志向:本物志向、健康志向、個人志向

ITも、こういった要素を考慮し、仕様・機能・UI・マニュアル・プロモーション等に反映すべきだと考える。

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