システム開発略語辞典06 [J~M]-1999年7月改訂版-

T.K.
Toshiya Kiriyama
桐山俊也。本稿の執筆者だが、「辞典」と称しつつ、まともな解説はほとんどしていない。
用語
意味 … ※付きはでっち上げです
解説

[記号・数字・A~B] [C] [D~E] [F~H] [ I ] [J~M] [N~O] [P~R] [S~T] [U~Z]

J

JAN
Japanese Article Code
POS用のバーコードにも使われている、[ 国+会社+商品.. ]などを表わすコード。一般に「JANコード」という。JANコードの日本番号は49(一部45)だが、もともと日本の国番号は081だ(国際電話などでお馴染み ^^)。どうして、こういう基本的なところで統一しないのだろう。
ちなみにバーコード自体には、JANコード以外にも、ITF、インターリーブ、EAN/EAN-128、NW-7、CODABAR、CODE-X、UPC…と、目いっぱい種類がある。あぁ、もう嫌だ。
JCL
Job Control Language
UNIXが急速に普及し始めた頃、汎用機から転換してきた技術者に、「UNIXでは、JCLの代わりにShellでプログラムするんだ」と説明する輩が多かった。気持ちは分からないでもないが、全然違っている。この理論でゆくなら、DOS/Windowsのバッチ(“~.bat”)もJCLに分類されてしまう。
JDBC
Java Data-Base Connectivity
JavaとODBCは、それでなくても遅いのだから、[ 遅い×遅い ]は致命的である。
JDK
Java Developing Kit
Pure JavaではないJavaが次々に出ているので、乗り換えるのに互換性を気にしなければならない。それがそもそもヘンだ。ライブラリーは一見豊富だが、ビジネス向けのクラスはお粗末極まりない。新しい言語の時はいつもそうだが、業務用途に使おうとすると、いまだに苦労が耐えないだろう。
Jini
Java Intelligent Network Infrastructure
願いをかなえる魔法のランプの精霊。ディズニー(R)のアニメーションがつい目に浮かぶが、あんな怪しい表情でニタニタ笑いながらネットワークというのも奇妙なセンスだ。
Jpeg
Joint Photographic Expert Group
カラー静止画像の符号化方式を標準化している組織。転じて、画像フォーマットを指すようになった。圧縮率を変えると、数十分の一までファイルを小さくできるが、モザイクのような四角いパターンが現れるので、気持ち悪い。
詳しくは知らないが、モザイク・パターンとよく似たロジックを使っているのではないだろうか。
JTAPI
Java Telephone API
CTI技術が普及すれば、必然的にWebとつなげようという話がでてくる。しかし、≪つなぎさえすればよい≫というものでもなかろう。適用分野が定着せず、なんだか宙に浮いた技術は数知れないが、Javaと電話を結びつけるという、一見ものすごく価値のありそうな技術も、実用的なアプリケーションが普及しない限り、単なるお遊びに終わってしまう。
JTS
Java Transaction Service
JavaのためのトランザクションAPI。ミドル層にCORBAを使って、3層システムを作ったりする。たまたま時代が同じだったため、お互いが出会って磨かれるとしたら、これほどラッキーな出来事はない。
ミケランジェロとレオナルド・ダ・ビンチのように、刺激し合える関係ならよいが、モーツァルトとサリエリのように、つぶし合う関係であっては欲しくないものだ。
JVM
Java Virtual Machine
5万円で買えるはずだったJava端末は、ついに市場から見られなくなった。と思ったら、5万円で買えるPCがでてきた。Javaが動くというただそれだけのために出資をする人はいなかったという訳だ。Virtual Machineはハードと限らないので少々事情が変わるけれども、この周辺は結構、金食い虫だったりする。楽しみとして使うならまだしも、ビジネス向けに、Javaを使う「ただそれだけ」のために、誰が出資するというのだろう。

K

K
Kがない、Kが!。KnowHowとか、Knowledgeくらいしか、情報システムに絡みそうな単語がない所為だろうか…。

L

LADiS
Logical Architecture of Distributed Information System
SommerLierの論理的なシステム構成設計法。開発した当初は、まだ「クライアント/サーバー」とか「オープン・システム」などという言葉がなかったので、「分散システム:Distributed Information System」となっている。このあたりが、他の技術と同様、作られた時代を彷彿とさせている。
LISA
Logical Information Architecture System
SUMMITの論理的なシステム構成分析手法。業務をPlan – Do – Seeそれぞれに分けて、個々の業務機能にビジネスユニット(BU)を割り当てて作成する。よく似た図が、「情報処理技術者育成 標準カリキュラム」にも見られるが、片や高価な方法論、片やほとんど無償の公開情報…きっと別物だろう。

M

M&A
Merge & Acquisition
合併と買収。マイクロソフトやソフトバンクの動きが目立つので、悪いイメージがつきまとうけれども、本来は必ずしも忌み嫌われるようなものではない。ベンチャー企業の社長の中には、ある程度の規模まで会社が育ったら、どこかに会社ごと買い上げてもらって、その利益でウハウハになろうと夢見ている人が少なくない。そういうレベルで考えれば、商品が会社自体であるというだけで、ごく普通の商取引にすぎない。
Mac ※
Multimedia Applicable Computer
マッキントッシュの成功は、DTP分野へ戦略的な投入を図ったマーケティングにある。80年代の代表的なコマーシャルは、体裁よくこぎれいな提案書やレポートを目の前で即座に作ってみせたビジネスマンが帰った後、「どうして当社には、あれがないんだ?」とボスが部下を問い詰める…というものだった。
もっとも、あの時代に、デスクトップのマックを担いで商談に出かけるという設定は、そもそも非現実的だったような気がするが、さいわい、市場は気にしなかったようだ。そういえば、持ち歩くためかどうかは知らないが、MacSEの上部には取っ手がついている。(un;)
MCIF
Marketing Customer Interaction File
銀行などの金融機関では、長大なCIFを作っているケースが多い。あらゆる口座、取引履歴、属性などが全部、1行に詰めこんであるのをプリントアウトしてみると、なかなか壮観である。これをColumn WiseからRow Wiseへ(つまりRDBへ)変換しようという話になると、「Reserveエリア」などという無意味な部分が邪魔をして、頭が痛い。
McIT
Management Culture & Information Technology
SCIがライセンスする企業改革方法論。一応、商標登録なのだが、認知度が低い。はじめ、”McIT-AutoDes”という商標で申請したら、「”AutoCAD”とそっくりだからダメ」と言われた。(un;)さらに、”McIT”で出したら、「”Mac(intosh) + IT”と解釈できるからダメ」といわれた(un;)。不思議なことに、今、両方とも商標登録が受理されている。
MHS
Message Handling System
X.400にもとづく電子メールシステムまたはサービスの総称。Out*ook、B*keyやEu*raなどのメールソフトから電子メールの世界にはいった人は、メールの構造やメール配信の仕組みを理解しづらい。そのため、電子メール=メールソフトという考え方になってしまうので、そこが技術者に揶揄されやすい。
しかし、郵便局がどういう仕組みと方法で郵便物を届けているか、などといった背景は何も知らなくても、ポストに入れれば郵便物は届く。それで良いと思うし、元来、利用者とはそういうものだ。
MIME
Multipurpose Internet Mail/Message Extensions
メール本文をわざわざHTMLやMS-Wordで書いて、それを添付ファイルで送付してくる輩がいる。失礼も甚だしいので、ヘッダーのMIME定義を見て、開けずに自動的にごみ箱へ直行させるようにしている。添付ファイルは、テキストで表現不能な情報を伝達する場合以外に使うべきではない。
ところが、そういった用途に限定しても、「展開・解凍できない」「バケバケで読めない」「変な文字列がたくさん入っていた」などと言う人がたまにいるので、既知の相手以外に、添付ファイルは禁物である。
MIS
Management Information System
マネジメント情報システム。特定用途向けのシステムに名前を冠するのも結構だが、「用途」と「利用法」と「実装方法」と「要素技術」とをごっちゃにしないで欲しい。雑誌などには、そのあたりが混乱した記事でも≪不用意≫に掲載されるので、影響を受ける人が少なくない。
MM
Man Month
人月。以前、かなりおおやけに流布している文書の中に、「1MM=10FP」という記述を見た。一体、いつの時代にどんな言語で作ったら、そんな数字になるのだろう(^^;)
MMX
Multi Media eXtension
一昔前なら New Media Extension といった所だが、あまり役に立たないという点では代わり映えがしない。
MOA
Model Oriented Approach
SCI/土屋氏の提唱する、モデル主体のシステム開発アプローチ。精緻なER図やObject図をユーザーに見せて、「さぁどうだ!」という奢り甚だしい姿勢を改め、土壌の違う人達が相互理解を深めるためにはどうしたら良いかという基本姿勢にもとづいている。
MP3
Moving Pictures Experts Group
コピープロテクトや著作権といった瑣末な論議に阻まれて、普及が送れている動画圧縮技術。「人間に聞こえない音域を捨てる」という考え方を採っている。つまり、正面から見えないところには手を抜いた張りボテと同じなのだが、実用性という点からみれば、確かに有効だ。
Mpeg
Moving Picture (image coding) Experts Groups
元々は非営利目的の組織だが、その名前がそのまま動画圧縮の規格名になった。その点においては Jpeg と良く似ている。普及にスケベを起用し、「新しい挑戦的な技術は、スケベに普及させれば、あっというまに市場基盤が築かれる」という定理を見事に証明してくれた。その点でも、Jpegとの類似性は高い。
MPP
Massively Parallel Processing
完全疎結合による並列処理方式の超並列コンピューター。CPU単体の性能を上げようと思っても限界がある。けれども、そこそこのマイクロプロセッサを山のようにつないでしまえば、簡単に性能を数百倍に引き上げられるという考え方。
1人の超ド級エンジニアを探すか育てるかして大型システムを作るよりも、普通のエンジニアを100人くらい連れてきたほうが簡単という理屈に似ている。
MRP
Material Requirements Planning
資源所要量計画。調達と生産管理との二つの側面を持つ。工場などで、如何に少ない資材在庫でラインを運営するかという考え方。孫にあたるERPによって、その純粋な思想・理念は跡形もなく打ち砕かれてしまった。
MRP2
Manufacture Resource Planning 2
製造原価計画。MRPに原価という概念を加え、製造工程における動的なコスト管理を行なった。業務の原価・原価管理はそれぞれ、ABC、ABMというが、直接つながりはないものの、コストにはシビアに行こうという精神は同じである。
MS
MicroSoft
アプリケーションにも、ショートカットにも、ファイル/フォルダ名にも、レジストリのキーまでにも、いちいち”Microsoft ~”という冠がついていてうるさい。WindowsとMS-Officeのプログラムや関連ファイルから、”MS”、”Microsoft”、”Windows”という文字列を全て削除できれば、数メガMバイトDISKが節約できるんじゃないかなかろうか。
MTBF
Mean Time Between Failures
故障するまでの間隔の時間。WinNTが1週間、Win95が1日、Win98は3時間くらいだ。UNIXだと、最低でも1ヶ月くらいに延びるが、MVS/VMSだと年単位である。とてもかなわないとUNIXベンダーも認めている。
MTTR
Mean Time To Repair
治るまでの時間。逆に、汎用機/ミニコンOSのMTTRは、日単位だが、UNIXで数時間、Windows系なら15分といったところか。…なんのことはない、リブートするだけだ。
MVS
Multiple Virtual Storage
汎用機のOS。「多重仮想記憶」の略であるところが、今日では既に笑える。

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