システム開発略語辞典07 [N~O]-1999年7月改訂版-

T.K.
Toshiya Kiriyama
桐山俊也。本稿の執筆者だが、「辞典」と称しつつ、まともな解説はほとんどしていない。
用語
意味 … ※付きはでっち上げです
解説

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N

NC
Network Computer
Javaに託(かこつけ)けて、DISKレス、OSレスの端末を作ろう、管理の容易性を高めてTOCを削減しよう、という話がひととき盛り上がったが、未だに根付いていない。理由は様々だろうが、「可能性」を「実用性」と履き違えたところに、そもそもの問題があったように思う。基本的な考え方は間違っていないのだから、よけいに惜しい。
NCA
Network Computing Architecture
ORACLEが提唱した3Tireシステムのモデル。UI←→AP←→DBというX方向の三層に加えて、サーバー←→コネクティビティ←→カートリッジというY方向の三層を含む。名前こそ独自だが、コネクティビティはORBだし、カートリッジは分散オブジェクトに他ならない。
だからとは言わないが(un;)、かなり大々的に打ち上げておきながら、そのうち話題がでなくなってしまった。
NIC
Network Information Center
ネットワーク・ドメイン名を取得するとき、お世話になった。申請のための情報は電子メールで提出するのだが、書式も記載方法も結構アナログだったりして、微笑ましい。ホームページでドメイン名やアドレスの情報を公開しており、検索サービスもあるが、桐山的には、公開/非公開の線引きレベルに納得できない点がある。
NIS
Network Information Service
どうもこのNISというサービスは、「教えてくれ!」といわれたら、答えなければならない仕様のようだ。「おまえには教えてやらん(~n~)」という仕組みも場合によっては必要だと思うのだが。
NN
Netscape Navigator
2.0がでたとき、表示の早さに度肝を抜かれた。3.1がでたとき、機能には魅了されたが、同時にバグの多さに戸惑った。4.0xがでたとき、立ち上がりまでの重さに嫌気がさし、Communicatorなどのいらん機能満載状態に閉口した。4.6がでて、勝手にAOL Instant Messengerをスタートアップに乗せられたときには、「ついに、おまえもか!」という心境になった。
NSAPI
Netscape Server API
コンサルティング的には、「使わない方がよい」とされる機能。なぜなら、難しい(^^;)→技術者がいない→開発に苦労する→金がかかる。高機能は代償を伴うものだが、使わなきゃ損したような気になる人が多いのはなぜだろう。ゲームで全てのキャラ・武器・呪文・ステージ・モンスターを試さなくても、ゴールすれば満足できる。辞書の全ての見出しを引いて読んだりしなくても、時々引いて役に立てば満足できる。いや実際、価格には含まれているのだから、その時点で損はしているのかも知れないが。

O

OA
Office Automation
OA化しても、機械が自動的に電話を掛けて、客先に要件を伝えてくれる訳ではなく、電話はやっぱり自分でかけなければならない。オフィス・オートメーションは「自動化」ではなく、単なる「機械化」である。
従って、電話も、FAXも、コピーも、電卓も、書類裁断機も、製本機も、空気清浄機も、冷蔵庫も、給水(茶)器も、卓上掃除機も、モーター付き消しゴムも、ぜぇ~んぶOA機器である。
OCN
Open Computer Network
保証しないといいつつ、結局のところ、やっぱり手を抜き切れないNTTは、いかにも日本的で好ましい。保証が付かないと言われつつ、それでもやっぱり文句をいって食い下がるユーザーは、いかにも自らリスクテークをしない日本人的で情けない。
OCR
Optical Character Reader
Optical Card Readerではない。1万円で買えるパソコンソフトから、1,000万円近い大仰な機械装置まで、精度も仕掛けも様々である。ちなみに、パソコン用のソフトが「OCRソフト」と名乗るのは間違いではないだろうか。なぜなら、どこにも「光学: Optical」的な仕組みはないのだから。スキャナーはソフトではないので、ソフトが「光学読取装置」と名乗ってはいけない( くどいな… (nn;)
OCX
OLE Control eXtension
ActiveXだの、OCXだの、MMXだの、やけに”X”が多いぞ!…「拡張しました」なんて名前は、「じゃぁ以前はどうだったんだ?」という疑惑を呼び起こすだけではなかろうか。だいたい、拡張したのはその瞬間だけで、次の時点では当たり前になっているのだから、名前自体が根本的に「永続性を無視した存在です」と証明しているようなものだ。
ODBC
Open Data-Base Connectivity
データーベース用のパイプだと思えばよいだろう。「つながる」という、ただそれ1点だけの規格であり、あとは何もやってくれない。だから、ODBCを使ったDBインターフェイスの開発は、事実上、手作業である。と同時に、なぁんも標準化されないから、DBMSが変わると互換性も失われる。
まぁ、文句を言ってもしょうがない。「つなげる」…ただそれだけなんだから。
OE
Order Entry
注文入力…といってしまえばそれまで。EOS(Electronic Order entry System: [POSなどによる]受注入力システム)くらいになれば、すこしは実体が伴うが、これも、「あぁ、そう…」のレベル。
入力方法をキーボード、せいぜい行ってもPOSくらいに限定して考えるから、つまらないのだ。キーボード、バーコード/POS、マウス、ペン入力パッド、タッチパネル、ハンディ端末、スキャナー、電子メール、OCR、マークシート、磁気カード、磁気カンバン、音声マイク、デジタル式FAX、ネットワーク、電話…結構いろいろあるぞ。
OEM
Original Equipment Manufacturing
日立やIBMやエプソンやフロンティア神代が、名前や型番だけ変えてライオス・システムのチャンドラ(ノートパソコン)を生産販売すること。古くは、日立や富士通が、名前や型番だけ変えてSUNを生産販売していたこと。
ちなみに、開発元のライオス・システムは、99年3末、IBMに吸収された。これは偶然ではなく、チャンドラの開発者がThinkPAD220、230の開発者でもあったからだ。
OK
“OK!”…とはいかにも略語だが、ネイティブ・スピーカーにきいても、何の略かはよくわからない。”All Correct”を”Oll Korrect”と訛ったとする説があるが、どうも無理がある。歴史的には、O.K.Clubという倶楽部で行なわれた大統領選のキャンペーンで広まったらしいが、だとすると、O.K.は、”Oliver Keats”とかなんとかいう、人名の略である可能性が高い(oo;)
OLAP
On-Line Analytical Processing
非定型な分析をリアルタイムにやるためには、多次元にデーターが操作できるDBと、高速な記憶デバイス、大量データーを処理できるCPU、トラフィックに耐えるネットワークが必要だ。目下のところ、あらかじめ用意されたビュー・ポイントでデーターを用意しておくといった方法ぐらいでしか、回避できない。けれどもそうなると、OLAPではなく、Data Warehouseになってしまう。この2者は、かなり区分が曖昧だ。
OLE
Object Linking & Embedding
MS-Excelは、OLEをやるとき、サーバーとして動いている。OLE処理中にサーバーであるMS-Excel終了させたりすると、オブジェクトの操作が終わっていないといって、もとの文書も終了できなくなるのはたまらない。
OLTP
On-Line Transaction Processing
大量データー処理。一時期は、実質それほど大量データーではなくても、OLTPと称して高価なマシンを導入したり、TPモニターを導入したりするインフレ型のシステム開発が流行った。最新技術を使いさえすればいいという風潮は、「金をかけさえすればいい」と解釈し直せなくもないが、今となっては懐かしい。
OO
Object Oriented
目的や対象を中核に据えて分析・設計する技法。飲み屋で「酒!」というオブジェクトをオーダーすると、日本酒という液体が暖められて、お銚子に入って、おチョコがついて、「お通し」と称する簡単なつまみとセットで出てくる。「オブジェクトとはそういう考え方だ」と、ある都銀のシステム部に説明したら、なんとなく納得されてしまったので、ちょいと背中が寒い思いをした経験がある。
OOPA
Out Of Place Artifact
遺跡や古代地層などから発掘された、その時代には存在するはずのない造形物を”OOPA”という。技術力などないはずの会社が、考えられない先端技術を製品化すると、まさに”Oopa!”(ブラジル語で「おぉすごい!」)だ。ベンチャー企業がやると、なぜか訴訟が起こる。
OR
Operations Research
意思決定や経営判断を数理体系的に分析する技法。線形計画、PERTシミュレーション、ゲーム理論などが含まれる。元は軍隊の理論がほとんどだ。会社や経営の用語には、軍隊から発祥したものが多い。「スタッフ(参謀)」「戦略」「対策」「損害」「広報」「決議」「セクション」…。「競争力」などという言葉も、どことなく争いの匂いがある。
ORACLE ※
Old Rdb Architecture of CLosed Environment
後光または神託。考えてみれば、物凄い名前である。よくもまぁ、そこまで騙ったものだと感心する。直接は関係ないが、化粧品メーカーの”Max Factor” も「最大要因」という仰々しい名前だ。それに比べれば、”Outlook Express”「見晴らし特急」の方が、なんだか情景ぽくていいような気がする。
漢語圏の命名は、漢字の硬い字面になるので凄いセンスだと思われがちだが、案外、英語圏の命名センスも、ちゃんと訳してみれば奇怪なものだったりする。
ORB
Object Request Broker
クライアント/サーバーが、顧客と企業との直接取引だとすると、卸業、つまり商社は、流通におけるORBである。しかし昨今、流通に変革が起こって、直売方式に追いやられ、かなりの打撃を受けていると聞く。3層システムは、卸業のような緩衝機能を持ったモデルだが、現実のビジネス・モデルとは逆行している。それとも、時代的にやや送れて追随しているだけだろうか。
いずれにせよ、システム・モデルは常に、ビジネス・モデルの影響を受けてきたのだから、3層システムもいつの日か、再び2層に戻ると予想される(これって結構、大胆な予言じゃないかな…(^^;)
OS
Operating System
O)お知らせ S)します … エラーを
O)重たいS)ソフトです … 一部のOSは
O)オープンS)ソースは … 自己責任で
O)落ちたりS)しません … 普通のOSは
O)オプションのS)セキュリティ … 論外ですが
O)おいしいS)商売 … なのはあと5千万秒
OSI
Open Systems Interconnection
開放型システム間相互接続、いわゆるセブン・レイヤ。私は下から「ブデネトセプア」(物理層、データーリンク層、ネットワーク層…)と覚えた。歴史の年号暗記みたいである。(^^A
こういったレイヤ構造は、情報システムの基本モデルとしてよくなじむ。コンパクトなパーツをいくつも組み合わせて、全体としては複雑な形成へと導いてゆくという考え方が、やはりシステムの実態を端的に表しているのだろう。

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