システム開発略語辞典10 [U~Z]-1999年7月改訂版-

T.K.
Toshiya Kiriyama
桐山俊也。本稿の執筆者だが、「辞典」と称しつつ、まともな解説はほとんどしていない。
用語
意味 … ※付きはでっち上げです
解説

[記号・数字・A~B] [C] [D~E] [F~H] [ I ] [J~M] [N~O] [P~R] [S~T] [U~Z]

U

UM
Unified Message
電話もFAXもE-Mailも、みんなひとつのインターフェイスで管理できるが、「それで何がうれしいのか?」という疑問には誰も答えられない。まだ、明確な目的や用途がない技術。
UPS
Uninterruptible Power Supply
無停電電源装置…基本的には電池である。2時間も持たないノートPCの電池ですら数万円もするのだから、電気食いのサーバー・マシンを長時間も動かそうと思ったら、すぐにウン千万円になって当たり前である。その辺が分からずに、安易に安全対策を謳う輩が多すぎる。
URL
Universal Resource Locator
「アドレス」と呼ぶ人がいるが、基本的には間違いである。ただ、意味的にはそう違っているとも言えない。ドメイン・レベルは、右から左に向かって範囲を限定して行くのに、ドメイン以下の記述では、左から右に向かって階層を降りて行く(http://ドメイン←組織←国/上位→下位…/)。考えてみれば、異常な記述ルールである。
USB
Unified Serial Bus
PC周辺機器をタコ足配線するためのインターフェイス。これを足がかりに、二股ソケットから世界的な電器会社を興した松下幸之助のような人が、再び現れるかもしれない。
UUCP
Unix to Unix Copy Connection
増えはしないが、根強く残っており、無くならない。無くならない以上、忘れたり無視したりしてはいけないという鉄則を知らない技術者が多い。

V

VA
Voice Authentication
音声認証。声によって本人かどうかを認証する技術。スタートレックで、カーク船長が「コンピューター、被害状況を報告せよ」などと、虚空に向かって叫ぶと、無駄にエコーとノイズが混入した声で「居住区Aの20%に損傷を受けました」などと返すのは、ただの音声認識。どちらの技術も、まだ実用レベルには達していない。
VAIO
Visual Audio Integrated Operation
たかがパソコンに大仰な銘々をしたものだ。バイオテクノロジー(Bio-Technology)とは無関係だが、なんとなく関係しそうな気にさせる。言うまでもなく、SONYのお家芸、Audio Visualがベースになっている。
VAN
Value Added Network
付加価値ネットワーク。インターネットの普及で、ただの回線貸しをVANと称していた業者は、窮地に立たされている。金融、自動車、建設、流通など、いくつかの業界にしっかりと根付いているVANはまだしばらく安泰だが、VPN / ExtraNetが一般化してくると、よほどの付加価値を付けない限り、将来も生き残るのは難しい。
VB
Visual Basic
直訳すると笑える。「視覚的基本的」…とてもビジネス用途には使えそうもない。
VBX
Visual Basic custom controls
Visual Basicの部品化されたプログラム。なぜ”X”がついているのかは不明 (=_=;)
32bitではないので、OCXに取って代わられた。
VGA
Video Graphics Array
一般的には、640×480ドットの解像度を指す。縦横比が 1:1.333…なので、黄金分割(1 : 1.618)にはほど遠い。むしろ、NEC-PC98が当初採用していた、640×400ドット(1:1.6)のほうが、美観的には優れているという話になる。そういえば、画面の上下を小さくしたノートPCやPDAがいくつか出ている。どうせ本心は、≪仕方なし≫に画面を小さくしているのだから、何らかのウリを掲げればいいと思う。けれども、黄金分割というキーワードをウリにしている製品はまだ見ていない。
VMS
Virtual Memory System
このごろは、”Voice Message(Management) System”という意味で”VMS”が使われる。NTが縄文人だとすると、VMSは周口店山頂洞人ぐらいか…おっと、時代が前後してしまっている。
VoIP
Voice Over IP
デジタル・ネットワークを使って音声交信する一連の技術。電話もデジタル化されつつあるので、近い将来、コンピューターと統合された応用技術が花開くと、大いに期待できる。しかし今日時点では、パソコンを電話代わりに使えるという、ただのお遊びにしか見えない。ヘッドセットをかぶり、パソコンに向かってモニョモニョ言っている様は、傍から見ると異様である。
VPN
Virtual Private Network
仮想プライベート・ネットワーク。手段としてインターネットを使うけれども、通信内容は暗号化して、擬似的に専用線と同等に利用してやろうという、なんとも虫の良い話。インターネットは、専用線に比べれば安いが、インフラは圧倒的にfragile*だ。まだごく一部の通信処理にしか使えないが、インフラが整備されるにつれて、VPNを作る企業・利用者が増えて、またキャパシティ不足になるので、またインフラ整備を進めて…と、まぁ、当分はまともに使える時期は来ない。 (~ヘ~;)
* Fragile: もろい、壊れやすい
VRML
Virtual Reality Modeling Language
3次元グラフィックス記述言語。ひところ騒がれたが、3次元グラフィックの認知度が低く、需要がない市場状況と、情報量が多く、転送時の重さがネックになる技術的現状とが相まって、いまだブレークしていない。Windows 2000がGUIを3D化すると表明しているので、そのあと急に、誰も彼もあいつもこいつもと、騒ぎ出すに違いない。
先を読んだビジネスをやろうと思うなら、Windowsの3D化をにらんで、記述言語の習得みならず、ビジネス用途のリサーチ、適用業務の発掘、デザイニング技法の体系化、ディスプレー/プリンタ/ビデオボードの研究開発などをとっとと進めておくべきだ。なぜか大半の企業は、ブレークしてからあわててビジネス化を検討し始める。
VS.
Versus
単一の単語なので、”V.S.”と書くのは誤り。下のように使う。

IE vs. NN IEの勝ち
Gateway vs. DELL DELLの勝ち
一太郎 vs. MS-Word MS-Wordの勝ち
Notes vs. Exchange 現時点ではNotesが優勢
ORACLE vs. Sybase ORACLEの勝ち

W

WAIS
Wide Area Information Server
インターネットの複数のデーターベースからキーワード検索をする。世界規模の巨大データーベースとはいえ、WWWに載っていない情報のほうが圧倒的に多いという事実が忘れられている。
WAN
Wide Area Network
広域ネットワーク。電気的な通信方法は、モールス信号からである。通信は生まれながらにして広域であったと同時に、OnとOffのデジタルだった。つまりこの100年間以上の間、なぁんも進歩していない訳だ。
WBT
Windows Based Terminal
出そうで出ない。出たという話があっても、実物が現れない。昔、IBMが良く使った「ダミーマシンを発表して市場を牽制する」という手法ではなかろうな?
WDM
Wavelength Division Multiplexing
光ファイバー上に異なる波長の信号を同時並行に伝送する方式。数十~数百Gbps。光ファイバーは磁力の影響を受けないし、ぐるぐる巻きにしても磁気を発生しないので、エコロジー技術だといえる。もっとも、光ファイバー・ケーブルをぐるぐる巻きにして、何が嬉しいのかは不明である。
WINS
Windows Internet Name Service
馬券売り場ではない
WNT
WindowsNT (New Technology)
VMSを1文字シフトしたもの。V→W、M→N、S→T。初めて発表されたとき、IBMからは、”Nice Try”だと揶揄されていた。
WS
Work Station
NT Workstation によって、概念がめちゃめちゃにされた。いったん壊れてしまうと、他のメーカーやベンダーまでもがいい気になって、”Work Station”という言葉を乱用する。そうこうする内に、「へぇ~、UNIX端末もWork Stationちふんですかぁ~」なでふ輩が現れるのだ。

# どうして「端末」のままなんだ!?

WTS
Windows Terminal Server
正確には、WindowsNT Server 4.0 Terminal Editionによって提供される。X端末と基本原理は同じで、Terminalは画面を写すだけだ。X端末も、プロセッシングをサーバーで行なうという点では、メインフレーム端末と基本原理は同じである。つまり、メインフレームとWTSは、基本的には同じであり、何ら先進性はないといえよう。
WYSIWYG
What You See Is What You Get
あなたが(画面で)見ているとおりのものを(印刷物として)手にできます。フォントのエラーで字がはみ出たり欠けたり、ピッチの違いでタブ・インデントがぐちゃぐちゃになったり、メモリ不足で挿入オブジェクトがうまく印刷できなかったり、画面上ではきれいなグラデーションが、印刷解像度の関係でギザギザの汚いメッシュになってしまったり、ディスプレーとA4紙では寸法の縦横比が違うので妙につぶれた感じになってしまったり…といった、些細な違いはあるかもしれませんが。
WWW
Word Wide Web
WWWとWebが同義に使われているが、別の概念である。したがって、WWWサーバーとWebサーバーも全く異なるのだが、混乱してしまっている。標準化してどちらかに統一している企業やマスコミも多いが、根本的に無理がある。「飛行場」と「国際空港」とが同じ概念であるはずがない。

X

X
eXtend / eXtension
拡張したものを片っ端から”X”と命名するのはメーカー/ベンダーの悪い癖だ。
XGA
eXtended Graphics Array
1024×768ドット、またはそれ以上のビデオ解像度。厳密なXGA規格には1024×768ドット256色までしか含まれないが、一般利用者は硬いことは言わないのだ。~t(^o^)oO○
X
X Window System。ウィンドウ・マネージャー次第で、見てくれはどんなGUIにもできる。WIndows9Xはもちろんのこと、Macintoshそっくりのインターフェイスだの、OpenStepやOS/2にそっくりウィンドウ・マネージャーもあるから、インターフェイスの自由度は圧倒的である。もちろん、Motifなどの懐かしいインターフェイスも健在だ。
話はそれるが、実はWindows9XやNTにもプログラム・マネージャーとファイル・マネージャーが載っている。だからその気があるなら、Windows3.1ライクなインターフェイスを楽しめる。いや、楽しめるかどうかは本人次第だが。
XML
eXtensible Markup Language
いつの世も、概念が先行すると処理系が後追いする。

Y

YAHOO ※
Yellowpage About Hugely Offered Ocean
「ヤフー」と読むが、「ヤッホー」と同じつづりだから、知らない人がどう読もうが、それは仕方がない。”Yahoo”には、「獣人」とか「無骨者」という意味もある。
由来をYet Another Hierarchical Organized Oracleとする説もあるが、本当の意味かどうかは不明。けれど、かなり言い当てていると思う。
Y2K
Year of 2K : Year of 2000
E.Jourdon & J.Yourdonの”Time Bomb 2000″(ISBN 0-13-095284-2)に、金融、医療、教育、政府 … といった、各分野ごとの問題と対応が網羅的に整理されているが、最終的な対処法は、たった4つしか挙げられていない。すなわち、「古いシステムは捨てちまえ」「パッケージ・ソフトに換えろ」「2桁は4桁になおせ」そして、「43は1943年、03は2003年ちふことにしとけ」…これだけだ。

Z

Z
Theory Z
Z型組織。業務が専門化され、従業員と個人の関係が極めて限定的な日本企業の雇用形態を欧米風に展開した組織論。離職率が低く、志気と生産性が高いというが、一体、いつの時代の日本企業を見て分析したのだろうか。

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