「地球にやさしい」は、程度の差を誤解させる表現

人間の営みは多かれ少なかれ、環境にダメージを与えている。
「地球にやさしい」と言っても、地球を傷つけていることには変わりない。
地球が笑っている擬人化イラストなど見せて喧伝されると、
良いことのであると勘違いする人が少なからず出てくるだろう。
だが、実際は、
刃物でメッタ切りするのに比べれば、爪を立ててひっかく程度のダメージ
…というだけの話。

環境破壊のとばっちりは 生命⇒人間 に返って来る。
地球自身は、全球凍結しようがマグマで覆われようが、別に困るわけではない。
人間にとって現状維持した方が都合よい…それをあたかも、
善意の活動であるかのように誤解させるのが、
「地球にやさしくしてあげる」⇒「地球にやさしい」という表現だ。

似たような誤謬に「天然素材」がある。
人工素材や化学薬品/調味料を危険視する対極から出て来た考えで、
体に良い天然素材を選ぼう ⇒ 天然ならば体に良い …とするものだ。
だが、
トリカブトやフグ毒も、蛇やサソリやキノコの毒も、すべて天然である。
アスベストもヒ素も、天然で採れる。
身近な水仙・アジサイ・彼岸花なども、食せば有毒だ。
なんなら感染症を引き起こす細菌やウィルスにも、人間の手は加わっていない。

・・・まぁ要するに、天然であるか否かと、体に良い/悪い は、無関係だ。

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