システム開発略語辞典02 [C]-1999年7月改訂版-

T.K.
Toshiya Kiriyama
桐山俊也。本稿の執筆者だが、「辞典」と称しつつ、まともな解説はほとんどしていない。
用語
意味 … ※付きはでっち上げです
解説

[記号・数字・A~B] [C] [D~E] [F~H] [ I ] [J~M] [N~O] [P~R] [S~T] [U~Z]

C

CA
Certificate Authority
「認証局」と訳される。「こいつ、本人?」という問合わせに対して、「まちがいなく本人です」と保証する。専門機関もあるが、社内の1サーバーだったりもする。機械に保証してもらわなくちゃ信用されない「本人」のアイデンティティって一体…。
CAD
Computer Added Design
コンピューターを使った設計。古い言葉だが、工業製品などの図面設計の分野でしか使われない。”Computer Added Documentation”でも、”Computer Added Development”でも、”Computer Added Drawing”でも、なんでもいいような気がするのだが。
CAL
Client Access License
アクセスする可能性があるクライアント数をライセンス数としてカウントする。10 CALは、10人のクライアントまで同時アクセスしてよいというライセンス。無視しても実用上はまったく問題ないが、「不正だ!」「違反だ!」「訴えるぞ!」というストーカーに付き纏われる可能性がある。
CALS
Continuous Acquisition Life-cycle Support または Commerce At Light Speed
電子部品情報交換。部品・製品情報を電子交換する規格。EDIと結びついて、自動車CALS、鉄鋼CALSなど、力のある大手企業を中心とした業界毎に体系化が進んでいる。ということは、また将来、どこかで、全産業CALSを策定しなければならないわけだ。
CAM
Computer-Aided Manufacturing
古くから定義が確立しているので、「コンピューターを使って作れば、みんなCAMか?」…という話にはならない。「じゃぁ、機械は全部ミシン(Machine)か?」というヤツがいないのと同じだ。ちなみにミシンは、Sawing Machineが正しい。
CAM
Customer Asset Management
お客様は企業にとって財産です。お客様の財産も、同時に私どもの財産です。あいにく私どもの財産は、お客様の財産ではありませんが。
CASE
Computer Added System Engineering
このごろのCASEツールは、開発ツールと区別がつかない。ERPと称する胡散臭い開発ツールもどきのCASEツールもある。開発ツールには作法(スタイル)が必要だ。エンジニアリングには体系的な技法が必要だ。簡単にアプリケーションができるからと言って、分をわきまえない呼称を騙らないでほしい。
CC
Call Center
電話窓口業務を行なう部門・組織を広くコール・センターという。ヘルプ・デスクや受注センターなどをInBound。テレ・マーケティングなどをOutBoundという。
OutBoundには怪しいものが多い。商品先物、金融資産投資、英語教材、ヘッドハンティング、マンション、絵画、健康食品…10日に1件くらい掛かってくるので、かなりうざったい。
Cc
Carbon Copy
「コンピュートピア」誌の1999年2月号だったかなぁ、”Cc”の上手な使い方がまるまる1ページを割いて解説されていた。あまりに当たり前すぎたので、それで記事が成立しているという事実にぶっ飛んでしまった。
CD
Compact Disc(us)
ナゼかdisKではなくdisCである。音楽レコードをDiscoid Recordと呼んだところから、
音楽向けCompact Discoid RecordまたはDiscusと呼んだ名残ではないかと勝手に思っている。
だが、やっぱり記憶媒体なら、disKであるべきだ。
CE
Concurrent Engineering
麺をゆでている間にスープを作って、同時に具を用意しておくこと。同時並行にすれば良いからといっても、下ごしらえと調理はいっぺんにはできない。また、スープのダシ取りに15分、麺の茹で上がりに3分かかるのであれば、PERTを考慮した時間的なタイミングが問題になる。計画と段取り、実践におけるマネジメントが不可欠だ。
CE ※
(Windows for ) Consumer Egoism
「コンパクト(Compact)、互換性(Compatible)、接続性(Connectable)、コンパニオン(Companion)」を指しているとは、マイクロソフトの言。そうか”C”はわかった。なら、”E”はどうなってるんだ?
Compact Error-message、Compatible Empty-file、Connectable Escape-key、Companion End-of-Failure…などと遊びたくなる。
CFF
Critical Failure Factor
主要阻害要因。どんなビジネスにもシステム開発にもある。KT法やPDPC法などでは、事前に予測して、対策案を用意しておくべきとされるが、そうは思ってはいても用意しないケースが多い。でも大丈夫、プロジェクトが進んでゆけば、いやがおうにも問題は起こるので、その時点で対策がうてる。
CGI
Common Gateway Interface
三省堂Exceed英和辞典は、デイリーコンサイスと同サイズの辞書でありながら”Common”の派生見出しに”Common Gateway Interface”が載っている。12万語も網羅して、EmacsやIEEEまで載せているのは驚きだが、そもそも、”CGI”の略を知らなければ引けないうえ、それが分かるくらいの人なら、英和辞典で引こうなどと思わないはずだ。
CICS
Customer Information Control System
System/390むけのオンライン処理システム。IBMのメインフレームでは昔から当たりまえのように使われているが、いまだにWinNTはこの機能に追いついていない。
CIM
Computer Integrated Manufacturing
コンピューター統合生産。コンピューター制御で動く人型のロボットが、鉋(かんな)と鑿(のみ)を使って家具を作っても、CIMとは言わない。けれども案外、どこからが “Integrated” なのかは曖昧である。
CIO
Chief Information Officer
日本の企業にはほとんどいない。いたとしても機能していない企業が多い…日本のトップマネジメントはすべからくそうなのだが。もしも本当に責任と役務を果たさせようと思ったら、億単位の給料をバンバン出しておいて、失敗したら無限責任という方法をとらなければだめだろう。
CIS
Customer Information System
顧客情報を統合管理するといいことがいっぱいある。

  1. 取引の履歴をみて、個別アプローチの作戦が立てられる
  2. 顧客層・性向・ニーズなどを分析してプレ・マーケティングできる
  3. この顧客からリピート・オーダーが取れれば、営業がいらなくなる
  4. システム部に任せておけば、顧客情報がどんどん出てくる
  5. 「おぉ、ウチには、こんなに沢山お客様がいるんだ」と贅に入れる
  6. 統合管理ができたという結果に満足できる
CISC
Complex Instruction Ser Computer
RISC全盛といわれ、もはや存在しないと思われているかもしれないが、PentiumII以前のPentiumはみな、CISCであった。インテルは古いものを大事に使いつづけていると評価しておこう。
COBOL
COmmon Business Oriented Language
実はJavaよりもFunction Pointあたりの生産性が高い。Javaよりも多くのプラットフォームで動く。Javaよりも標準化が徹底している。Javaよりも技術者層が厚い。Javaよりもツールが豊富。Javaよりもライブラリー(クラス/オブジェクトと言おうか?^^;)がそろっている。Javaのような技術独占企業がない。唯一、Javaほどは新しくない。
COM
Component Object Model
どうしてこう、次々と名前を変えただけの新技術もどきを出すんだか…。自動車のモデルチェンジのように、市場の需要を喚起するための戦略もあるだろうが、「独自の新しい技術で、これまでのカス(当社比)とは違うものです」という看板替えの方が主眼だろう。もちろん重要ポイントは、「当社比」の部分である。
CORBA
Common Object Request Broker Architecture
90年代初頭、身内の間で、メッセージ・ブローカーを”COP”と呼んでいた。交差点の真中で台の上に立って交通整理をするお巡りさんというモデルにもとづくプログラムは、わずか1000行くらいで書けた。こいつが落ちると、システム全部がだめになるという欠点があったが、マルチスレッドが高等テクニックだった頃は、それが出来るというだけですごかった。
CPU
Central Processing Unit
サンダーバードのMr.ブレイン、マジンガーZの早乙女博士、エヴァンゲリオンの碇ゲンドウ、銀河英雄伝説のヤン・ウェンリ…たった一人がすべてを知っており、思考能力をもち、答えを生み出してしまう。その他の人物は…たとえ主人公であったとしても(Oo;)、ただのデバイスや周辺装置にすぎない。さしずめパイルダーに乗った兜甲児は、空飛ぶキーボードか。
むしろ科学特捜隊の方が、ニューロンコンピューターに近い。アラシ隊員が特殊な光線銃を開発したり、イデ隊員が宇宙語の解読プログラムを作ったりと、ほのぼのとした分業体制が生きていた。
CRM
Customer Relationship Management
大手よりも中小、中小よりもSOHOのほうが以前からやっている。
たとえば地域密着型の信用金庫は、社長の息子が産まれたときから把握していて、今年大学卒業後、他企業に就職するので、跡取り修行から帰ってくるのはすくなくとも5年後…などといった情報まで把握して、取引先企業と付き合っている。
CRUD
Create Refer(Read) Update Delete
「クラウド」と読む。情報に対して何をやるかの基本。オブジェクトのデーター処理メソッドも基本的にはこれだけだ。おっと、プロセッシングのメソッドはもっといっぱいあるので念のため。
CS
Client Server
顧客とサービス提供者の関係。いうなれば、顧客と企業である。クライアント/サーバーモデルは、決してコンピューターだけのものではない。
CS
Customer Satisfaction
安心、信頼、満足…何だか分かっていない企業が多い。
CSF
Critical Success Factor
主要成功要因。うまくいったときは、成功要因がなんだったのか判らない場合が多い。失敗した場合は、成功要因がそもそも存在しなかった場合が多い。
CSS
Cascading Style Sheet
HTMLの表現定義ををあらかじめ設定したテンプレート。なんのことはない、30年前から汎用機の帳票・画面作成でやっているオーバーレイ機能だ。
CSS
Client Server System
「僕は、幾多郎くんに缶ジュースの買い物を頼みました。幾多郎くんは、自分のお小遣いで買ってきてくれました。僕は便利なので、毎日毎日たのみました。幾多郎くんは、毎日毎日買ってきてくれました。そのうち、ほかのみんなも、缶ジュースが欲しいときには幾多郎くんに買い物を頼むようになりました。幾多郎くんは、みんなから、缶ジュース・サーバーと賞賛されています。」
…ちょっと、というより、だいぶ違うような気がするが、まぁいいか(^^;)
CSV
Common Services Verbs または Comma Separated Variables
Multiplanが表データーをテキスト化するために使った。行情報をカラム毎ににカンマで区切って、ダブルクオート(“)でくくるという、単純なフォーマット。スペースやタブをどうするか、情報自体にダブルクオートが含まれていたらどうするか…といった定義は無かったので、以後、実装系によってバラバラになってしまった。
CTI
Computer Telephony Integration
電話で沸くお風呂も、留守緑電話の自動応答も、基本的にはCTIだ。これは予言だが、今世紀中にCTIの”I”は、インターネットといういう意味に変わるはずである。

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