システム開発略語辞典09 [S~T]-1999年7月改訂版-

T.K.
Toshiya Kiriyama
桐山俊也。本稿の執筆者だが、「辞典」と称しつつ、まともな解説はほとんどしていない。
用語
意味 … ※付きはでっち上げです
解説

[記号・数字・A~B] [C] [D~E] [F~H] [ I ] [J~M] [N~O] [P~R] [S~T] [U~Z]

S

SAP/R3
System Application Products
“sap”は、英語で「んばかヤロっ!」という意味である(前にも書いた ^^;) R/3はReleaseの意味だと思っていたら、なんと”Real Time”という意味だそうだ。何がリアルタイムなんだ?
SBU
Strategic Business Unit
厳密には、固有の経営資源、競合相手、経営責任者をもった独立事業を指すが、必ずしも資源独立ではない例もある。だからといって、単なる事業部をSBUと称するのは誤り。
SCI
the Solution Consulting Inc.
SCSIではない。会社名に”The”がついているのは新鮮だったが、ドメイン名の “consul.co.jp” は、もっと新鮮だ。”business.consul.co.jp”とか”system.consul.co.jp”など、何でもアリだ。それはそれで良いのだけれど、「コンサル」で通じるのは日本だけで、正確には “consult” だから、先の二つはそれぞれ、「ビジネス執政官」「システム総督」などという意味になってしまう。(^^;)
SCSI
Small Computer Systems Interface
SCIではない(^^;;。Ultra/Wideなどの規格によって違うが、ケーブルに長さ制限がある。また、”7つまで”というノード制約もある。IDEほどではないにしろ、マシンの大きさや設置方法にかかわる基本的な制限だ。あるお客さんはそれを無視して、サーバーに長いケーブルでバンバン機器をつなげ、やたらとI/Oエラーを出しまくっていた。
SDH
Synchronous Digital Hierarchy
光ファイバー上の信号を階層的に多重化する技術。ギガbpsの転送速度が必要な国際回線などのための技術だが、もしもLANに使えれば、エンタープライズ・レベルで、サーバーを粗結合した巨大な仮想マシンが構築できる。ただし、DISKのI/Oスピードよりも早いので、データーを取りこぼさなければ良いが…(^^;)
SE
Software Engineering / System Engineer
エンジニアリングは「工学」だから、SEは「ソフトウェア工学者」という意味にもなる。なまじ「技術者」などというから、工学的アプローチができない者も含まれてしまう。そういう私自身、「技術者」には含まれるかも知れないが、「SE」には含まれない人種だ。(=_=;)
SET
Secure Electronic Transactions
デジタルIDを使って認証を行ない、電子決済などをするための暗号化プロトコル。デジタルIDをICカードなどにしまっておかなければならないあたりが面倒くさいので、使う気にならない。いくら伝送内容を暗号化しても、利用者や運用者のセキュリティ意識が薄弱だと使い物にならない。
SFA
Sales Force Automation
営業支援システムを最近はこう呼ぶ。基本的に、営業担当者がコンピューターをガンガン使うとは考えにくいから、電子情報を自在に使いまわす風土とカルチャーが伴わなければ、単なるコンセプトである。
世の中には、コンセプトが実体を伴わないまま登場し、実践・実現の過程でいい様に捻じ曲げられ、単なるネットワークやデーターベースに終わってしまい、ろくな評価を与えられずに「あれは失敗だった」などと揶揄されるケースが多い。コンセプトの所為ではないのだが…。
SGML
Standard Generalized Markup Language
文書構造を標準的に取扱う技術または規格。一昔前、文書DBを作ろうとする機運が高まったので、「おっ、いよいよ本格的にSGMLが普及するかぁ?」と思っていたら、曾孫にあたるHTML、XMLの方が先に表舞台に立ったので、出番はほとんどなくなった。その実、影で支えているのはやっぱりSGMLなのだが。
SIS
Strategic Information System
戦略情報システム。システム形態でも、仕組みでも、機能でもないのだが、誤解されたまま今日に至っている。「戦略情報システム」「SIS」を冠した書籍が幾つも出たが、その多くは、どんなシステム、仕組み、機能で、どんな効果を上げたかという記述に終始していた。もちろん、戦略のかけらもない。
SMP
Symmetric Multiple Processor
対称型マルチプロセッサ。疎結合(DISKやメモリを共有)による並列処理方式。しかし、CPUを二つにしても、実動は1.5倍くらいにしかならない。ISDNのところで触れた、「料金所の理論」と同じだ。CPUクロックが2年で3倍になっても、その能力はOSに消費されてしまう…のとは、ちょっと違うか。(^^;)
SMTP ※
Spam Mail’s Tunneling Port
メールを送信するときのプロトコル。POPと違い、セキュリティ上はノーチェックなので、スパムやID改ざんの手口に使われる。
SNMP
Simple Network Management Protocol
なぜ「シンプル」なのか、今もって不明。
SOHO
Small Office Home Office
パソコンが普及して、帰宅後や土日にも、家で仕事をしてしまうホワイトカラーが増えた。表面上は生産性が高まったように見えるので、喜んでいる会社もあるだろう。けれども個々の社員は、のべつくまなしに働く状況に疑問を感じ、場合によっては疲弊し、会社への帰属意識が減退し、自宅をそのままオフィスにしてフリーランスになってしまう。ここでも、「有能な人材が流動的に活用できる」と、喜んでいる会社があるだろう。しかしよくよく考えてみると、これは一部の業種において組織の存在意義がなくなり、企業体が瓦解し始めているという現象に他ならない。
SommerLier
the System Optimizing Methodology for Management, Evaluation, Resolution, Legitimation of Information & Enterprise Resources
完成から5年を経て、まさにこれから、中小企業への需要が出始めている。2000年問題がひと段落すれば、来年から中小企業むけオープン・システムの開発が爆発的に増えるはずだ。
SP
Service Pack
マイクロソフトがサービスと称するバグ修正モジュール。SP自体のバグのために、矢継ぎばやにリリースされる。SP4だのSP5だのに至っては、もはや原形も無くなっているような気がする。
SQL
Structured Query Language
DB操作言語だが、簡単な帳票も書けるし、ちょっとしたプログラミングもできる。何でも盛り込むと、わやくちゃになるという典型例。
SRA
Software Research Associates
強引に日本語にすると、「電算機利用技術研究連合」となり、めっぽう堅い組織のようだが、「アソシエイツ」には「仲間」という意味もあり、現実はもっとお友達モードに近い。さまざまな異説があり、私が新人のころ諸先輩から教わったものの中には、「S)そんなにR)利口じゃA)ありません」だの「S)少ないR)利益でA)アップアップ」だのといった定義があった。どれも自嘲的なのが情けない。 (un;)
ちなみに、IBM: International Business Machine を日本語にすると「国際事務機器」(なんだか街の文房具屋みたいだ)、Microsoft だと「わずかな柔らかさ」(洗濯洗剤みたいだ)、Adobe Systemsは「日干し煉瓦の家の諸制度」(途上国で村を再開発するみたいだ)となる。さらにBill Gates氏の名前も、無理やり訳すと「関 紙幣(せき しへい)氏」といった感じになる。こうしてみると、なんでもかんでも不用意に訳すべきではない。(xx;)
SSI
Server Side Include
Webのアプリケーション開発手法としては、古典だが、今となってはあまり使われていない。ずいぶん前に、自分のホームページで実験的にやってみたが、ブラウザがハングアップしてしまった。
SSL
Secure Sockets Layer
WWWサーバーとWWWブラウザ間で安全に通信する方式のひとつ。ほぼデファクト・スタンダードだ。公開鍵暗号方式と共通鍵暗合方式を併用しているので、WWWサーバーとブラウザの間のやり取りは、けっこうややこしい。
サーバーは、ブラウザからリクエストを受取ると、公開鍵とデジタル証明書を返し、ブラウザはそれを使ってサーバーを認証したら、公開鍵で暗号化した情報と共通鍵をサーバーに送り、サーバーは共通鍵で復号する…。えぇい、勝手にやれ。
STD
STructured Diagram
構造図と言ってしまえばそれまで。構造をあらわす図ならなんでも”STD”かというと、そうでもない。組織の構造は「組織図」だし、データーの構造はたいていの場合、「ER図」だ。システムの構造は「構成図」だし、甘えの構造は心理学だ…いや、まったく関係なかった。すみません。
SVGA
Super Video Graphics Array
通常、800×600ドットの解像度をさすが、800×600ドット~1600×1200ドットもSVGA規格には含まれる。現時点での主流だろう。
1024×768ドットの場合、モノクロ表示に必要なビデオメモリは1M弱(0.75M)、フルカラー(32ビット:1677万7216色)なら、かっきり3Mである。けれどもメーカーはなぜか、2M/4M/8M/16Mなどといった、明らかに必要量と無関係な単位でビデオメモリを作っている。

T

T
Tera
Giga(ギガ)の上の単位。1Tは、1兆。”T”が「丁」に見えるからではない。
T2S(T2V)
Text to Speech/Voice
音声読み上げ技術、または製品。音声合成はもとより、文脈や句読点の位置によって抑揚を変化させる制御が難しい。英語は語順や語形にもとづく屈折語なので、かなりのレベルに達しているが、日本語は語尾活用変化や接続語、助詞などで意味が変わる膠着語なので、実用化が遅れている(つまり、技術力の問題ではない)。
コンピューターが鉄腕アトムのように、まるで、女性が子供の声を模してアテレコしているみたいに流暢にしゃべれるようになるまで、あと15年はかかる。
TAPI
Telephony API
パソコンから電話機を制御するAPI。マイクロソフトとインテルが担いでいるので、強引な普及が見こまれる。
TCP/IP
Transmission Control Protocol / Internet Protocol
OSIモデルでは二つのレイヤにまたがる、それぞれ別々のプロトコルである。はじめからコンピューター間接続のために開発され、SUNとBSD-UNIXとともに普及した。だから、たまたまインターネットで利用されている訳ではなく、インターネットがTCP/IPによって作られたのだ。
MacintoshやWindowsは当初、独自プロトコルを差別化して謳っていたが、TCP/IPでもほとんどのサービスが使えるので、*BEUIだの*Talkだのといろいろとインストールするのは無駄だ。
TCO
Total Cost of Ownership
持っていれば金がかかるということ。車に比べれば免許もいらない、車検もいらない、強制保険はないし、車庫も確保しなくて良い、ガソリンは食わないし、税金もかからない、おまけに違反して罰金を取られる恐れもないのに、コンピューターのTCOは上昇する一方だ。
TP/TPM
Transaction Processing (Monitor)
いつのまにか廃れた。今の若い人に、ENCINAとかTP-KERNELとかTUXEDOとかTOP ENDとかCICSなどといっても、ピンと来こないらしい。まぁ、その程度のものだったんだろう。
TSAPI
Telephone Service API
「ティーサピ」と読む。電話でコンピューター制御するためのAPI。TSAPIはNetWareサーバー用を特に指す。日本の電話は、1890年以来、100年にわたって普及してきた通信手段だ。こうした、Ubiquitous(ユビキトス:「いたるところにある」)なものを活用しない手はない。…という訳で、コンピューターの端末やコンソールとして電話を利用しようとする動きが活発だ。
これが十分に浸透すると、モバイルPCやPDAを持ち歩いて、ISDN公衆電話やPHSでシコシコとダイヤルアップする光景が、途端に古臭く見えてくる。歴史の教科書で、「昔の人は、足踏み車や水車を利用して米を精製していました」などと、みょうちくりんな挿絵で紹介されているのと同じ扱いになってしまう訳だ。
TSO
Time Sharing Option
発想が過去の技術に立脚しているという、ただその一点を除けば、とても良くできたインターフェイスだと思う。メニュー+コマンドの指定方式といい、拡張コマンド(CLIST)の実装といい、BrowserやEditorの機能といい、ファンクション・キーといい、今われわれが当たり前に使っているユーザー・インターフェイスに、多くの特徴が受け継がれている。しかも中には、今だにTSOだけが備えていたり、TSOの方が優れていたりする機能もある。惜しむらくは、実行キーと改行キーが別々になっているという気持ち悪さだけを何とかしてほしかった。

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