IT技術者は、スーツを着たブルーカラー

大型汎用機が主流だったころ、機械の方が人間よりも高価で、大切に扱われていた。IT技術者は、スーツを着たブルーカラーだった。

オフィスと称するソフトウェア工場に出勤し、割り当てられた端末またはコンソール〔操作卓〕のひとつに座って、プログラムを作成する。

自分の担当範囲はシステム全体のごく一部だけなので、生産ラインでねじを締めるだけ/パーツを取り付けるだけ…といった流れ作業のごく一部を担うの変わらない。

歩合制や出来高制も少なくない。「仕様通りに動くもの」が出来上がらなければ、報酬は得られない。もちろん不良品は検収してもらえない。あとから不具合が検出されれば瑕疵担保責任も負う。

専用作業着の着用が義務付けられている職場もあった。コンピューターは繊細なので、ホコリなどが舞って、コンピューターの誤動作を招かないようにするためだ。つまり、IT技術者は、実態としてブルーカラーだったのである。

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